「住宅ローンを滞納し続けると、給与が差し押さえになってしまうって本当?」
給与の差し押さえはどのような場合に起こるのか、そもそも差し押さえとは何か、自宅を手放さないといけなくなるのかといった点について、分かりやすく解説していきます。
住宅ローン滞納で、給与が差し押さえられるケースとは
担保不動産が競売にかけられて売却が決まり手元から無くなったことで、住宅ローンの滞納分もすべて無くなった、と考える人も少なからずいますが、実はそれは大きな間違い。放っておくと差し押さえの対象が給与にまで及ぶ場合もあるのです。
給与口座が差し押さえられる理由
競売で得られた売却金額は、全額住宅ローンの返済に充てられます。しかしながら、競売による売却金額は市場価格よりも安く、売却金額を全額返済に充てたとしても残債が残ることも。その残債についての返済の見込みがないと判断された場合には、給与口座が差し押さえの対象となります。
本当は現金を持っているのにも関わらず、故意に支払いを拒否している場合があるという理由からです。
給与は全額差し押さえられてしまうのか?
給与に関する差し押さえには、上限金額が定められています。月の手取り金額が44万円以下の場合はその4分の1相当まで、手取り金額が44万円を超える場合は、手取り金額から33万円を引いた全額の差し押さえが可能です。
給与が差し押さえになるとどうなる?
住宅ローンの滞納により不動産や給与の差し押さえを受けると、その後の社会的信用において大きなハンディキャップを背負うことになります。
金融機関やローン会社がお金を貸すかどうかの判断をする際に用いられる「信用情報」には、本人を特定するための情報だけでなく、それまでどのような契約をしてきたかなども記録されています。この信用情報にはローン返済の延滞の記録も残されるため、再びローンを組もうとしたりクレジットカードを発行したりする際に、審査が通らないという可能性があるのです。
給与以外に差し押さえ対象となる財産とは
住宅ローンの残債が残っていた場合には、給与以外にも差し押さえられる可能性のあるものが存在します。
まず預金口座。住宅ローンを組む際に、給与口座だけでなく融資先の口座の情報も提供することが多いため、給与と合わせて差し押さえられることが多くあります。
また、現金やブランド品といった動産も差し押さえの対象となります。ただし動産の場合は、債務者が必要最低限の生活を送るのに必要な寝具や衣類・家具などのほか、66万円以下の金銭の差し押さえは原則として禁止されています。
住宅ローンを滞納し続けると訪れる「差し押さえ」とは
「差し押さえ」とは何か?
不動産の「差し押さえ」とは、裁判所が住宅ローンを支払えなくなった人に対して、自身の財産を勝手に売却などにより処分することを禁じることを指します。住宅ローンの滞納による差し押さえの場合、最初に対象となるのは住宅ローンの担保となっている不動産になります。
差し押さえになるのは滞納何か月目?
住宅ローンの返済が滞っても、すぐに差し押さえになるというわけではありません。滞納が始まって最初の1~2ヶ月は、住宅ローンを組んだ金融機関から電話やはがきによる支払いの催促が来ます。
3ヶ月を過ぎた頃になると、催告状や督促状が送られてくるようになります。この時点で滞納分を返済すれば問題ありませんが、滞納から5ヶ月を過ぎると「期限利益の喪失予告通知」という書面が届き、差し押さえがいよいよ現実的に。
債務者は滞納が始まってから6ヶ月が経過した時点で、ローンを分割で返済する権利を失います。つまり、債権者が債務者に対して、ローン残高の一括返済を求めることができるようになるのです。債務者がこの一括返済請求に応じられなかった場合には、債権者は担保にされた不動産を差し押さえることができるようになります。
差し押さえになる時に届く通知書とは?
担保不動産が差し押さえられた時に届く書面に「担保不動産競売開始決定通知書」というものがあります。これは「あなたの不動産は差し押さえられたため、これより競売にかけられます」ということを通知する書面。
この時点で、差し押さえの対象となった不動産を所有者が勝手に処分(売却や譲渡)することが禁じられます。
差し押さえになったら、その後どうなる?
差し押さえられた不動産は、裁判所によって競売にかけられます。
競売は一般的な不動産売買とは違い、裁判所が決定した価格を基準に、市場価格の6~7割程度の価格で売却されることになります。
競売によって買主が決定した不動産に継続しての居住はできず、所有者には引っ越し時期の決定権も与えられないため、直ちに立ち退かなくてはいけません。
住宅ローンを滞納しても差し押さえを回避する策とは
不動産が競売にかけられるのを回避する方法のひとつに、「任意売却」があります。
任意売却を選択するメリットは「市場価格に近い価格で売却できる可能性がある」ということ。競売よりも高い価格で売却できるため、住宅ローンの残債を減らし、その後の負担を最小限にできるようになります。
任意売却は一般的な不動産売買とは異なるステップを踏むことになるため、専門家への相談が必要不可欠。EC.エンタープライズでは、任意売却についての無料相談窓口をご用意しています。住宅ローンの返済に行き詰まったら、ぜひ一度ご相談ください。
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