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病気やケガで住宅ローンが払えない時の対処方法とは?
保険が利用できる条件は?

病気やケガを原因とした減収で住宅ローンが払えない場合でも、加入中の保険で返済に充てられる可能性もあります。ここでは、多くの方が加入している可能性のある保険を確認し、それぞれ住宅ローンの返済に役立つかどうかを検討してみましょう。

どの保険に入っているかを確認する

病気やケガが原因で住宅ローンが払えなくなった場合には、まず加入中の保険を再確認してみましょう。

以下、住宅ローンの返済に役立つ可能性のある保険、および役立つ可能性が小さい保険について、それぞれ詳しく解説します。

保障で住宅ローンの返済に充てられる可能性がある保険

 

  1. 団体信用生命保険・ 特定疾病保障保険

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害を負ったりなどして返済が困難となった場合、保険金によって住宅ローンの残債が全額支払われる保険を言います。多くの銀行では、住宅ローンの契約条件の1つとして加入への加入を求めています。

 

死亡や高度障害による基本的な保障のほかにも、特定疾病が受給対象となる特約を付帯させている方も多いため、団信の契約内容をよく確認してみましょう。

 

なお、住宅ローンの滞納が始まってからおおむね3か月以上が経過すると、債務者に代わって保証会社が残債を「代位弁済」する形となります。代位弁済が行われれば団信の契約が解除されることもあるため、団信からの給付対象となりうる方は、滞納が始まらないうちに早めの給付手続きを行うようにしましょう。

 

  1. 債務返済支援保険

団信のほかに住宅ローン返済関連で任意加入できる保険として、住宅ローン返済支援保険や住宅ローン疾病保証保険などがあります。

 

住宅ローン返済支援保険とは、病気やケガ等による減収で返済が困難になった場合を保障してくれる保険。住宅ローン疾病保障保険とは、団信でカバーできない疾病の範囲までカバーしたい場合に加入する保険です。

住宅ローンの契約時、万が一の事態に備えて、団信の他にもこれらの保険に加入している方もいます。加入したことを忘れている可能性もあるので、改めて確認してみましょう。

  1. 就業不能保険

就業不能保険とは、保険契約で定められた就業不能状態が一定期間続いた場合に支給される保険のこと。条件に該当すれば、所定の保険金を全額受け取ることが可能です。

住宅ローンの返済にも役立つ保険となるため、加入しているかどうかを確認してみましょう。

 

  1. 労働者災害補償保険

労働者災害補償保険とは、いわゆる「労災保険」のこと。業務に関連する理由で病気やケガを負った場合に保険給付される制度で、正社員だけではなくアルバイトやパートの方も対象となります。

 

労災保険の支給額は、休業補償給付と休業特別支給金を合わせて給付基礎日額の80%。配偶者の収入も合わせた世帯収入にもよりますが、ある程度は住宅ローンの返済に役立つ可能性があるでしょう。

 

  1. 傷病手当金

病気やケガを原因とした療養中の生活費を補償する制度の1つとして、健康保険による傷病手当金制度があります。企業等の健康保険に加入している方が給付対象で、支給額は標準報酬月額の2/3程度となります。

 

労災保険と同様、こちらも住宅ローン返済に役立てられる可能性があるでしょう。

保障で住宅ローンの返済に充てる事が難しい保険

 

  1. 生命保険(死亡保険)

住宅ローンの契約時には団信への加入が一般的ですが、団信に加入した状態で契約者が死亡すれば、団信から住宅ローンの残債が支払われます。そのため、生命保険(死亡保険)を住宅ローンの返済へ回す必要はありません。

 

仮に住宅ローンの返済途中に契約者が死亡したことを想定して生命保険(死亡保険)に加入している場合、団信の保険と重複する形となるため、保険料節約のために生命保険(死亡保険)を見直したほうが良いでしょう。

 

  1. 医療保険

団信の中には、医療保険に似た保証(三大疾病保障など)が付帯しているものも少なくありません。一方で、普段から保険会社と契約している医療保険の中にも同様の保障が付帯しています。

 

このような状況に対し、「保障が重複しているので団信は不要では?」と考える方もいるようですが、あくまでも医療保険の保障趣旨は治療費の支払いです。団信とは異なり、住宅ローンの返済でお困りの部分を保障してくれる保険ではありません。

 

  1. 健康保険

健康保険は、病気やケガの治療費が発生した際、自己負担金を少なく抑えられるよう備える保険です。住宅ローンの返済に充てる趣旨の保険金が支給されるわけではありません。

ただし、上述の通り健康保険には傷病手当金制度があります。住宅ローン返済とは趣旨の異なる保険金ですが、実質的に住宅ローンの返済に一部役立てることは可能でしょう。

 

また、自営業やフリーランスが加入する国民健康保険には傷病手当制度が存在しない点に要注意。自営業者等が同様の手当を求めるならば、別途で民間保険会社を契約する必要があります。

長期的に返済が難しそうなら家の売却も選択肢

仮に団信へ加入していたとしても、契約内容によっては十分な保険金を受給できない可能性もあります。療養が終わって職場復帰したとしても、後遺症等によってそれまでのような稼ぎが期待できなければ、住宅ローンの返済は困難になっていくでしょう。

 

もし長期的に住宅ローンの返済が難しい状況となれば、やむを得ず家を売却することも選択肢となります。以下、住宅ローン返済中の家を売却する主な2つの方法を見てみましょう。

通常売却

住宅ローン返済中の家を売却し、その売却金で住宅ローンを完済できるならば、一般的な不動産市場を通じて家を通常売却できます。また、仮に売却金のみで住宅ローンを完済できなくても、預貯金などの自己資金を加えて住宅ローンを完済できるならば、こちらも一般的な通常売却が可能となります。

任意売却

一方、家の売却金では住宅ローンを完済できず、かつ残債分を補填する自己資金等もない場合には、家の抵当権を外すことができないため通常売却ができません。

 

この場合の例外的な売却法が任意売却。債権者と交渉して家の抵当権を外してもらい、その上で一般的な不動産市場から通常売却を行うという方法です。競売より売却価格が高くなる傾向もある点で、債権者にとっても債務者にとってもメリットにつながる可能性があることから、昨今、任意売却の事例も散見されるようになりました。

 

通常売却とは異なり、任意売却後には残債が残る形となりますが、家の売却金を住宅ローンに充てていることから、残債の総額は大幅に圧縮されます。生活が再建に向けた大きなきっかけになるでしょう。

【まとめ】返済が困難と判断できたら早急に専門家へ相談を

病気によって住宅ローンを払えなくなった場合には、加入中の保険を利用すれば対処できる可能性もあります。まずは加入している保険の内容を確認の上、住宅ローン返済に役立つかどうかをチェックしてみましょう。

 

療養が長引くなどの理由で住宅ローン返済が難しくなってきた場合には、家の売却も現実的な選択肢の1つ。通常売却と任意売却のどちらが適しているかを素人には判断できないため、滞納が長引かないよう早急に専門家へ相談しましょう。