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親の住宅ローンが滞納している場合、
相談先や対処方法とは?

「親が住宅ローンを払えなくなってしまい、子供としてどうしたら良いのか分からない」という方が増えているようです。

 

親としては、景気低迷がこれほど長引くとは想定もしていなかったでしょう。子供としては、現代の給与事情や税金事情を背景に、親へ資金援助をしたくてもできないという方も多いでしょう。

 

住宅ローンを払えなくなった親を持つお子様世帯の方に向け、親自身ができることとお子様世帯ができることに分け、それぞれの現実的な対処法をご紹介します。

 住宅ローンを滞納した親自身ができること

当初は完済の見通しがあったからこそ契約した住宅ローンでしたが、様々な事情により返済が困難に。お子様が幼いころまで過ごした家だからこそ、心のどこかでは「子供にも援助してほしい」と思う気持ちはありますが、子供世帯に迷惑をかけなくないという気持ちもあります。

 

お子様が親御さんの援助をするかどうかは、お子様の意思にまかせるべきでしょう。親御さんは、自分でできることのみに集中して対処するしかありません。

金融機関に返済計画の見直しを相談する

過去、すでに何度か金融機関に返済計画の見直しを相談しているかもしれませんが、金融機関から提案された内容でも返済が難しいならば、改めて相談してみましょう。

 

返済期間の延期や金利の相談に応じてもらえるかもしれません。相談することで返済意思を伝え続け、金融機関からの心証を悪くしないことも大切です。

住宅ローンの借り換えをする

まだ返済すべき元金が多く、返済期間も長く残っているならば、より金利の低い住宅ローンへの借り換えも1つの方法でしょう。

ただし、一般的に借り換えは簡単でないことに加え、もし親が年金生活者あれば、借り換えはかなりハードルの高い選択肢と言わざるをえません。少しでも返済が楽になることに期待し、まずは相談だけでもしてみると良いでしょう。

任意売却の専門業者へ相談をする

住宅ローンの滞納が始まり、かつ今後も滞納が続く見通しであれば、家を手放す以外に方法はないかもしれません。

 

仮に、家の売却金で住宅ローンの残債を完済できるならば、一般的な不動産市場から問題なく売り出すことができます。あるいは、家の売却金だけでは住宅ローンの残債に届かなくても、自己資金を加えて完済できるならば、こちらも問題なく一般の不動産市場から売り出せます。

 

一方、家の売却金に自己資金を加えても住宅ローンの完済ができない場合には、任意売却という手法を選択することになるでしょう。専門家や専門業者に仲介してもらう形で債権者(銀行など)と交渉し、抵当権を外してもらって家を売却する方法です。

 

任意売却は例外的な手法となり、かつ債権者にも妥協する部分が生じるため、必ず債権者が認めてくれるとは限りません。高い交渉力が必要となります。

住宅ローンを滞納した親に対してお子様世帯ができること

親御さん世代に比べて平均年収が上がらず、一方で手取り額が大きく減少している現役の若い世帯。マスコミでも言われる通り、子育てはおろか結婚すらもままならない給与事情の中、とても親の住宅ローンを援助する余裕などないと感じている方も多いでしょう。

そうとは言え、親が返済に困っている家は自分が育った家でもあります。自分の教育費を工面する都合、銀行に住宅ローン返済のリスケをお願いしたり繰り上げ返済を諦めたりした背景があるかもしれません。子供であるあなたを一生懸命育てた結果、現在の年老いた親御さんの苦境があると考えれば、放置することもできないのではないでしょうか。

 

子供の立場としてできることは、主に次の3点になるでしょう。

親に資金援助をする

もし子供世帯の生活に余裕があるならば、住宅ローンの支払いの一部について、贈与という形で資金援助してみてはいかがでしょうか。年間110万円までの贈与ならば、原則として贈与税は非課税となります。

 

現在の子供世帯の余裕ある生活は、親が頑張って子育てをしたからという側面もあるでしょう。無理のない親孝行の範囲内で、余裕資金の中から資金援助を考えてみてください。

任意売却の専門業者へ相談する

住宅ローンを支払えなくなったときの有効な選択肢の1つが任意売却。ただし高齢の親御さんにとっては、ネットにあふれる「任意売却」というワードに抵抗を感じるかもしれません。

任意売却は、決して怪しい取引ではありませんが、親世帯が心理的に抵抗を示すならば、子供世帯が代わって専門業者へ相談してみましょう。任意売却の専門業者には、子供世帯からの相談が多く寄せられています。

最終手段として親子間売買を検討する

親子間売買とは、子供が親の家を買う取引のこと。決しておすすめできる方法ではありませんが、1つの選択肢として頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

親子間売買がおすすめできない理由は、その背景に何かしらのグレーな部分があるのでは、と疑われるからにほかなりません。

 

例えば親が住宅ローン以外にも大きな借金を抱えていた場合、親子間売買で家の所有権を子供に移転させておけば、家の差し押さえを避けることが可能です。あるいは、親子間売買を目的に子供が住宅ローンを組んだ場合、実際の融資の使途は親族内で不明瞭になる恐れがあります。

親子間売買の検討は最終手段と考えておきましょう。

【まとめ】任意売却は現実的な解決手段

親世帯では、すでに金融機関へ返済の相談を幾度も行っていることでしょう。それでも解決しなかったため、滞納に至っていると考えられます。すでにリタイアした世帯であれば、借り換えも難しいでしょう。

 

一方で子供世帯においては、親に資金援助できる余裕はほとんどないのが実情です。親子間売買も、決しておすすめできる方法ではありません。

親世帯と子供世帯、双方が取りうる現実的な手段は任意売却。任意売却は競売が成立する前までに完了させなければならないため、スピードが大切です。

 

親世帯が任意売却に足踏みしているならば、フットワークの軽い子供世帯が先んじて専門業者に相談してみましょう。現実的な解決策で親を力強く導くことこそ、何よりの親孝行になるのではないでしょうか。