任意売却と競売の価格差はどれぐらい？価格差がある理由とは？

2024/05/31

任意売却と競売は、どちらも住宅ローンの滞納が原因で通常の不動産売却が困難な場合に選択される方法です。

これらの方法はいずれも似ているように見えますが、売却方法や最終的な売却価格には大きな違いがあります。

本記事では、任意売却と競売の間にどれだけの価格差が存在するかを詳細に解説します。

任意売却・競売の違い

任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった際に、債権者（金融機関）の合意のもとで市場価格に近い価格で不動産を売却する方法です。

この手続きは、競売になる前に債権者との間で調整を行い、より高い価格での売却を目指します。

任意売却のメリットは、負債の残額を減らすことが可能な点です。

また、売却手続きは売主や買主、債権者（金融機関）、不動産業者以外の関係者には手続きが公開されないため、情報が公開される競売とは違いがあります。

競売と比較して、任意売却は売却価格が市場価格に近いため、残債が少なくなる可能性が高くなります。この方法で不動産を売却するには、債権者の承諾が必要であり、不動産会社や司法書士と協力して進めることが一般的です。

競売とは、住宅ローンの返済が長期にわたり滞納された結果、債権者が裁判所を通じて強制的に不動産を売却する手続きのことを指します。

対象の不動産を法的に差し押さえ、オークション形式で公開入札を通じて買主を募ります。

競売では、通常の市場価格の6割から7割程度の価格で不動産が売却されることが一般的です。

競売物件の価格が低くなる理由は、買主が内覧できないことや落札後に瑕疵が発覚しても保証がないなど、買主にもデメリットがあるからです。

そのため、売却標準額が低く設定されて売りに出されることが要因となっています。

売却された後の収益は、債権者に優先的に配分され、元の所有者には残らないことが多いです。

競売による売却は、売却額が低くなりがちなため、債務者の負債がさらに残ることがあり、金融的な困窮をさらに深める可能性があります。

できれば、競売になる前に早めに不動産会社に相談をして、通常の不動産売却や任意売却などをあらゆる選択肢の中から適した選択を行う必要があります。

任意売却と競売では、不動産の売却価格に大きな違いがあります。

任意売却では、市場価格に近い金額で不動産を売ることが可能です。具体的には、市場価格の約80%から90%で売却できることが期待されます。

例えば、市場価格が3,000万円の住宅であれば、2,400万円から2,700万円で売却できる可能性があります。

一方、競売の場合、不動産は市場価格の60%から70%で売却されることが一般的です。

同じ3,000万円の住宅が競売にかけられた場合、売却価格は1,800万円から2,100万円となります。

このように、任意売却では市場価格に近い金額での売却が実現可能であるため、債務者の負担が軽減されます。

しかし、競売では価格が大幅に下がるため、債務者が抱える残債が増加し、経済的な困難が深まることがあります。

任意売却と競売では、不動産を売却する際の多くの側面で異なる特徴を持っています。

以下の比較表は、それぞれの違いを表でまとめました。