父親から引き継いだ会社
母親と二人暮らしのO様。O様はご自身で会社を経営されていました。元々はO様のお父様がやっておられたのですが、10年前にお亡くなりになり、O様がそのまま引き継ぐこととなりました。しかし、会社の運営状況は非常に悪く、経営を立て直すべく、高齢の母親とお二人で懸命にがんばっておられました。
コロナ渦の影響もありましたが、そんな中でも、徐々に業績が上向いてきたころ、日ごろの心労などもあり、O様のお母様がご自宅で倒れました。すぐに病院へ行きましたが、脳梗塞で一時意識不明に。緊急手術が行われ、一命をとりとめましたが、寝たきりのの状態になられました。
母親の介護と仕事に追われる日々
ほかに頼れる親族はおらず、仕事量を調整しながら、O様はお母様の介護をされていました。そんな状況が数年続きましたが、せっかく上向いてきていた仕事も介護を理由に断ることもあり、徐々に減少していきました。会社の運営費だけでなく、母親の通院費・生活費に頭を悩めておられました。自宅はすでに資金調達のために、抵当が付いており、さらなる銀行からの融資は見込めません。毎月の各支払い日に窮地に追い込まれたO様は、消費者金融から借入を行い、返済にあて、借金を借金で返済することがしばしば。そんな生活を続けていると、借金は雪だるま式に増えていき、気づけば800万に膨れ上がっていました。多重債務に陥ったO様は、様々な金融機関から督促の連絡が入るようになり、どんどん追い詰められていきました。精神を病み、完全に仕事が出来なくなったころ、裁判所から競売の通知が届き、当社へご相談に来られました。
当社から弁護士を紹介
O様の状況を把握した当社は、まず弁護士をご紹介しました。督促で追い詰められ、精神的に不安な状況を改善するために、弁護士から各債権者へ受任者通知を送りました。これで、これまでO様に入っていた督促連絡が弁護士に入るようになります。O様の今後について、当社からは自己破産を提案しました。O様本人、お母様の今後を考えると、800万の返済は現実的ではありません。また、お二人とも仕事ができる状態ではない為、自宅を売却し、自己破産するほうこで、手続きに入りました。それと同時に、役所には、生活保護の申請を行いました。役所からは、協議の上、返答するとの回答でした。
自宅の任意売却
次に、O様の自宅の売却です。すでに住宅ローンは完済されていましたが、会社運営資金の借入の為に、抵当権が設定されていました。残債額は約900万円。自宅の売却相場価格が約650万円です。約250万ほど残債額を下回ります。そこで当社は、金融機関に任意売却の交渉を入れます。幾度かの打ち合わせ後、金融機関からは、任意売却に応じる旨の通知が届きました。それと同時に、役所よりO様の自宅を処分することを条件に生活保護を承認すると連絡が入りました。
生活保護を受け、新たな生活へ
生活保護の許可が下りたので、すぐにO様のお引越し先を探しました。引っ越し先の斡旋も当社がお手伝いをします。状況にもよりますが、生活保護費の中から、上限はありますが、移転先の物件を借り際に発生する敷金や仲介手数料、引越代金などが捻出することが出来ます。O様の場合も生活保護費から支払うことが出来ました。自宅の売却です。築年数が古く、容易には買手が見つかりませんでしたが、販売価格の見直しを数回行い無事に成約となりました。