①ローンの支払い額が、購入当時から倍額に・・・・・
Ｍさんは、２５年前に大阪市内に通勤が便利なことから高槻市に一戸建てを購入されました。購入当時は、夫婦共働きで収入もそこそこありましたので住宅ローンの支払いは順調でありました。しかし、ステップローンで住宅ローンを組まれていたため、返済額は徐々に上がっていき、返済額は購入当時の２倍に膨れ上がっていきました。ステップローンとは、当初５～１０年間の「ゆとり期間」中は返済金額を抑え、その分をゆとり期間終了後に上乗せして支払うものです。Ⅿさん、奥さんの収入は期待していた程ではありませんでしたが少しずつ上がっていたこと、夫婦共働きであったこともあり、ローンは滞りなく支払っていました。
②会社の業績不振による給与の減少と子どもの教育費の増加・・・・・
ローンを滞りなく支払っていたⅯさん夫婦でしたが、２年前にⅯさんの会社の業績不振で給与が減少し、さらにお子さんが大学に行くことになり教育費の支払いも増えたことで、徐々にローンの支払いが厳しくなっていきました。貯金を切崩し何とか住宅ローン、教育費の支払いをされておられましたが、これから先住宅ローンの支払いができる状況ではないと思われたⅯさんは自宅を売却することを決意されました。
③ステップローンで元金が減っていない、債務超過に・・・・・
売却を決意されたⅯさん夫婦は、地元の不動産業者に売却の相談に行かれました。しかし、不動産業者の担当者から思いがけないことを言われたのでした。それは、住宅ローンの残債額以上で自宅の売却はできない、自宅の相場価格が残債額以下である事実でした。ステップローンは、「最初の５年間はほとんど元金が減らない」ので、Ⅿさんの残債は予想以上でした。また、Ⅿさんの自宅は年数が経過していたこともあり、周辺相場より安いこともあり大幅に債務超過していたのでした。
④任意売却の提案・・・・・
地元の不動産業者から思いがけない事実を告げられたⅯさん夫婦は、インターネットで「任意売却」という方法があることを知り、「任意売却無料相談窓口」のＨＰにお問い合わせを頂きました。私たちは、Ⅿさん夫婦と自宅でお会いし、状況、希望等をお聞きした上で、任意売却のメリット、デメリットを説明させて頂きました。お会いした時は、ローンは滞納されていなかったのですが、これから先は支払いは困難な状況ではありました。また、Ⅿさん夫婦の希望は、地方の大学に進学されたお子さんの教育費を支払うことが優先でしたので自宅の売却は決断されていました。私たちは、Ⅿさん夫婦の状況と希望を考慮した上で任意売却を提案させて頂き、Ⅿさん夫婦と任意売却を進めることになりました。
⑤任意売却への準備、売却・・・・・・
Ｍさんの場合、住宅ローンの滞納がありませんでしたので、ご相談頂いた次の月から返済を止め、6カ月後に代位弁済がされた後に任意売却となりました。代位弁済から債権者が決定しましたので、私たちは、債権者にⅯさんが任意売却を希望されていることをお伝えし、物件の査定に取り掛かりました。また、Ⅿさん夫婦には、売却後に引越しができるように予め引越し先を探して、引越しの準備をして頂くようにお伝えをしておりました。そして、債権者の方が決定した販売価格が周辺相場より安いこともあり、大阪市内に通勤が便利であったこともあり、販売開始後約１ヶ月半で無事に売却をすることができました。Ⅿさん夫婦は、自宅があったエリア近くで賃貸マンションを契約され無事に引越しをされました。
⑥その後・・・・・
任意売却後に残債務が残りますが、Ⅿさんは、債権者と交渉をされ生活、教育費の支払いに影響がない範囲で残債務の支払いをされています。お子さんが大学を卒業するまでは何があっても、残債務を支払いながら教育費の支払いをしていくとⅯさん夫婦は言っておられます。住宅ローンの支払いが苦しくなったと思ったと同時に子どもの教育費が大幅に上がってしまうケースはたくさんあります。
