コロナ渦で収入が激減
工場で働いておられれたI様。昨今のコロナの影響で工場の稼働が少しづつ縮小され、ついに完全に稼働停止へ。残業が無くなりその分の収入がカット。基本給が少ないため、生活がすぐに苦しくなりました。収入が多いときと比べ、半分以下へ激減。育ち盛りのお子さんが3人おられ、家計は火の車です。
数年前に自宅を購入されていましたが、自己資金なしのフルローンで借入をされています。通常の生活でも月々の支払いは何とか行える程度。この収入激減は住宅ローンの滞納に直結します。I様は先の見えない現状を不安に思い、自宅の売却を決断されます。
債務超過の自宅
早速、売却査定の依頼の為に、数社の不動産会社を訪問されましたが、どの不動産会社もI様の予想をはるかに下回る金額の提示でした。I様は住宅ローンの残債程度の売却金額を希望されていましたが、残債どころか、各社が提示してきた金額では売却後、1,000万円以上のローンが残る計算となります。さらに、仮に各社が提示してきた金額でお客様があらわれたとしても、返済に足りない資金を準備する必要がありますが、もちろんI様にはそんな余分な資金はありません。このままでは住宅ローンの滞納をしてしまうと悩んでおられたところ、当社をネットでお知りになり、ご連絡を頂きました。
任意売却を選択
住宅ローンの残債が売却価格を上回る場合、通常は売却は出来ません。こういった債務が物件の価格を超過している場合、金融機関と相談の上、任意売却にて売却することが一般的です。I様の借入先の金融機関は任意売却に協力的でした。金融機関へ書類を提出し、約1ヶ月たったころ、当社と金融機関と販売価格の調整に入りました。
苦戦する販売活動
金融機関としては出来るだけ高い値段設定を望みます。I様の場合、自宅購入当時、頭金を入れず、収入と不相当の借入をされています。要は借入金額が多すぎたのです。しかし、不動産を売却する場合には地域の相場に合わせた金額を提示する必要があります。幾度か金融機関と交渉を行いましたが、当社が提示していた金額より数百万高い金額が販売価格となりました。販売開始後、なかなか問合せが入りません。近隣の不動産業者へ斡旋のお願いをしましたが、どの業者も価格が高いと良い顔をしません。
金融機関との粘り強い交渉の結果
金融機関には定期的に販売状況を報告します。現在の周辺の販売状況や問合せ状況を報告し、早期売却の手立てを探ります。I様のご自宅は人気のある小学校の学区内で、角地の日当りの良い物件です。室内も丁寧に使っておられ、きれいな状態です。やはり金額が理由で売れないのです。当社は再度、金融機関に販売価格の見直しを求めます。何度かの交渉の結果、ようやく相場に近い価格に変更ができました。そして、価格を値下げすると数多くの問合せが入るようになり、無事成約と至りました。
任意売却後
任意売却後の残債ですが、もちろん返済をしていく必要があります。I様の場合、1,000万円以上の残債が残ることから、将来的に自己破産をされることになりそうです。現在、I様は自宅の近くにある賃貸物件に引越をされました。勤め先の会社は、倒産しましたが、運よく再就職がすぐに見つかり、懸命に働いておられます。