「相談の経緯」
自宅を購入したころは、まだ妻がいました。当時、私と妻の収入で住宅ローンを支払っていました。お互いに正社員で働いており、世帯年収は世間で言われているパワーカップル程度の年収。この年収にあわせて住宅ローンを組んで自宅を購入しました。しかし、これが間違いでした。
自宅購入から5年たったころ、訳があって離婚をすることになりました。問題は自宅をどうするのか?でしたが、妻は出ていきました。私一人で住むには大きすぎ、売却を検討しましたが、住宅ローンの残高が多く、通常の売買では売却出来ません。とりあえず、私一人で住み続けることにしました。毎月の住宅ローンの支払は、当時の収入であれば、少し家計を切り詰めれば支払える額でした。
それから2年が経過したころに、コロナが流行り出しました。コロナの影響は、私の収入状況を一変するほどのものでした。収入が大幅に減少し、住宅ローンの支払どころではありません。あらためて自宅売却を検討しましたが、前回から2年しか経過していないため、変わらず売却できる住宅ローンの残高ではありませんでした。それともう一つ問題なのが、住宅ローンの名義が元妻と一緒になっており、滞納をすると元妻へ連絡がいくということです。困った私は、「任意売却無料相談窓口」を知り相談をしに行きました。
「任意売却無料相談窓口での対応」
Tさんからの相談を受け、当窓口ではご自宅の売却査定を行いました。Tさんが仰っているとおり、住宅ローンの残高以上の売却価格はつきません。ただ、借入先の金融機関が任意売却に前向きだった為、任意売却の申請や手続きは進められました。あとは、元奥様との調整です。任意売却をする場合、特に今回のような住宅ローンの名義が元奥様と一緒になっている場合、元奥様にも売却の承諾を得る必要があります。また、任意売却特有のリスクがあり、このリスクはTさんだけでなく、Tさんのお奥様にも負ってしまうことになります。離婚後の売却で、なかなか話が進まない場合によくある理由です。
まず、Tさんから元奥様へ連絡を取って頂き、その後、当窓口と元奥様と面談をさせて頂きました。現在のTさんの現状と任意売却の仕組み、任意売却のその後などを説明しました。その結果、やはり任意売却の承諾を得る事はできませんでした。その後も、何度も面談を行いましたが、リスクを負うことと、何より元夫がまねいたことで自分にも被害が出ることに納得がいかないとのことでした。ただ、現実的に何もしなければ、競売になり、その後の抱える負債も大きくなることも理解されていました。そして、初めてお会いしてから3ヶ月が経った頃、元奥様から連絡を頂き、任意売却の承諾を得ることが出来ました。
「任意売却後」
任意売却を開始した後、すぐに買手が見つかり、無事に成約となりました。返済しきれなかった住宅ローンは、返済をし続ける必要があります。この返済についても、完済しない限り、TさんとTさんの元奥様が連帯して責任を負います。Tさんはこの残った住宅ローンの返済を責任をもって行うとおしゃっておりました。住宅ローンが共有の名義になっている場合の自宅売却、特に離婚後は大変なケースが非常に多いので、ご注意くださいませ。