独身時代に買ったマンションを賃貸物件に
独身時代、家賃を払うのがもったいないということで、住宅ローンを組み、大津市内の新築マンションを購入されたN様。購入後、数年間はお住まいされていましたが、会社の辞令で関東へ転勤されることになりました。住宅ローンの支払いもあるので、売却も検討されましたが、知人のすすめもあり、賃貸に出されました。築2~3年の築浅物件ということもあり、借手はすぐに見つかりました。家賃は毎月のローン支払い額より高く、毎月数万円が手元に残ります。その後、数年に1回程度、入居者の入退去がありました。
入退去があるごとに負担が増えていく
退去があると次の募集に向けて室内のリフォームや家賃の見直しがされます。その都度、リーフォム費用の負担が発生します。また、家賃については改定されることが多く、ほとんどの場合、前回の家賃よりも安くなります。その為、N様の家賃収入は目減りし、手元に残っていたはずの数万円はリフォーム費用に費やされるようになりました。また、築年数が経過していくごとに、借手がつきにくくなります。空室期間が長くなると、家賃収入がないため、住宅ローンの支払いが実費となります。さらに、マンションの管理費・修繕積立金の値上げもあり、N様の負担がどんどん大きくなりました。
ついに住宅ローンの滞納、そして競売
N様は一身上の都合により転職をせざるを得ない状態になりました。転職後の収入は以前の収入の3分の2程度まで減少。日々の生活で精一杯の収入ですが、大津市のマンションの状況が、さらにN様を追い詰めます。マンションには入居者がいるのですが、値下がった家賃が毎月の住宅ローンの支払額を数万円を下回っていました。さらに管理費・修繕積立金の負担もあります。次第に支払いが厳しくなってきたN様は、ついに住宅ローンの滞納をし始めてしまったのです。滞納期間が長期に渡り、金融機関から競売の差押え通知が届いたことをきっかけに当社へご連絡を頂きました。
オーナーチェンジで売却できるのか!?
N様は大津市のマンションの処分を希望されますが、入居者がいる状態です。賃貸借契約がある物件を売却する場合にはオーナーチェンジ物件として売却することが、一般的です。現在、N様を賃貸人に、入居者を賃借人とした賃貸借契約があるのですが、この賃借人を残したままの契約となります。しかし、オーナーチェンジでの売却の場合、買手は収益性を望むことが多く、売買代金が通常価格より安くないと売れません。N様の住宅ローン残高からすると、かなり厳しい金額です。また、金融機関はすでに競売の手続きにも入っていることから、あれこれと思案をしている時間もありません。そこで、当社はN様のマンションに住んでいる入居者に買取をしないかと相談をもちかけてみました。というのも、オーナーチェンジでは値段が付かない物件でも、買手が購入後に自己利用できる物件の場合は、相場価格で売れるからです。
入居者との買取交渉
N様のマンションに住んでいる入居者のもとにも競売についての書面が届いており、大変心配をされていました。競売で落札後は、半年以内に退去することが法律で定められておします。そんな時に当社からの連絡が入ったのです。この入居者も将来的に買取が出来ればとお考えのようだったため、話はスムーズに進んでいきます。入居者は買取のために住宅ローンを利用されます。当社からいくつかの金融機関をご紹介させて頂き、無事に住宅ローンの承認がおりました。そして、競売になる前に、N様のマンションを売却することができました。
その後のN様
売却後のN様ですが、今回の売却資金で住宅ローンの全額を返済することができ、安心されています。これまでの心労もあり、体調を崩しておられるため、滋賀の実家へ戻ってこられました。体調が戻りしだい、再就職をするとのことでした。