任意売却を行っている時点ですでにブラックリストに載っている
任意売却をしたらブラックリストに載るか否か、という議論を耳にすることがありますが、結論から言うと、任意売却を始めている時点で既にブラックリストに載っています。
ブラックリストに載るか否かは任意売却とは関係なく、ひとえに「借金を滞納したこと」が問題となります。
ブラックリストに載る目安は滞納3ヶ月
「ブラックリストに載る」とは、正しく言えば「個人信用情報機関に金融事故情報が記載される」ということ。
個人信用情報機関には3種類ありますが、うち株式会社日本信用情報機構（JICC）では、借金を「入金期限から3ヶ月以上延滞」した場合に情報を掲載すると規定しています（他にも各種の掲載規定があります）。
住宅ローンについて言えば、滞納3ヶ月を過ぎた時点でブラックリストに掲載されるということになります。
滞納3ヶ月になる前に任意売却が成立すればブラックリストに載らない可能性がありますが、そもそも滞納3ヶ月になる前に任意売却を成立させることは困難でしょう。
つまり、ほとんどの任意売却において、売却が成立した時点ですでにブラックリストに載っているということになります。
そもそもブラックリストとは？
上述の通り、「ブラックリストに載る」とは「個人信用情報機関に金融事故情報が記載される」ことを言います。
以下、ブラックリストを作成している3つの個人信用情報機関について確認しておきましょう。
全国銀行個人情報センター（KSC）
銀行、銀行系クレジットカード会社、銀行系保証協会、信用金庫、農協などが加盟している信用情報機関です。
ローンやクレジットカード等の金融事故について、契約が継続している間および契約終了してから最大5年間、ブラックリストに情報が掲載されます。
住宅ローンの滞納情報が掲載された場合、以後5年間は、銀行等からの借り入れができないと考えたほうが良いでしょう。自己破産に関する情報は、最大10年間にわたり掲載されます。
株式会社シー・アイ・シー（CIC）
クレジットカード会社、信販会社、一部銀行系金融機関、消費者金融などが加盟している信用情報機関です。
延滞、自己破産等の情報について、契約が継続している間および契約終了してから5年間にわたりブラックリストに情報が掲載されます。
株式会社日本信用情報機構（JICC）
消費者金融会社、信販会社、保証会社、リース会社などが加盟している信用情報機関です。
多重債務者の情報を瞬時に把握できる機関として知られています。入金期限から3ヶ月以上の延滞についてブラックリストに掲載される他、自己破産や個人再生、減額等の申し入れ情報などについても、一定期間にわたって掲載されます。
いつまでブラックリストに掲載され続けるの？
ブラックリストに載ったとしても、永遠に情報が消えないわけではありません。
任意売却のみで住宅ローンが完済できた場合
任意売却だけで住宅ローンが完済できた場合には、滞納から3ヶ月目から完済できるまで、および完済してから最大5年にわたってブラックリストに載ります。
任意売却後に住宅ローンの残債が残った場合
任意売却後に住宅ローンの残債が残った場合も同様に、滞納から3ヶ月目から完済できるまで、および完済してから最大5年にわたってブラックリストに載ります。
ここに言う「完済できるまで」とは、任意売却が成立するまでという意味になります。
任意売却の残債は、厳密には新たに設定した別の借金（回収会社を債権者とした無担保ローン）となることから、形式的には任意売却が成立した時点で金融機関への住宅ローンは完済した形となっています。
任意売却後に自己破産した場合
任意売却をしたものの、残債を返済することができずに自己破産した場合には、自己破産の決定日から最大10年間にわたってブラックリストに情報が掲載されます。
連帯保証人や連帯債務者もブラックリストに載る可能性あり
住宅ローンの連帯保証人は、債務者本人と同じ返済義務を負うとされています。
そのため、債務者が住宅ローンの滞納をしている場合には、連帯保証人も同じ責任レベルで返済を行わなければなりません。
もし連帯保証人も住宅ローンの返済ができない場合には、債務者本人と同様、連帯保証人もブラックリストに載る可能性があります。
リースバックなら任意売却後も同じ家に住み続けられる
一般に、家を任意売却した後は、期日までに家を明け渡さなければなりません。
しかしながら、中には「家に愛着がある」「子供を転校させたくない」「状況を近所に知られたくない」などの理由で、できれば同じ家に住み続けたいと思う人もいることでしょう。そのような人におすすめの任意売却がリースバックです。
リースバックとは
リースバックとは、任意売却で家を買ってくれた人に大家さんとなってもらい、家賃を払うことでその家に住み続ける方法のこと。
一般的に、親族またはリースバック業者が買主となります。
リースバックをすることで住宅ローンの残債を大きく減らすことができる上、基本的に今までと同じ環境で同じような生活を続けることができるようになります。
家賃を払いながら住み続ける中で、もし家計状況が好転してきたならば、大家さんの同意次第では家を買い戻すことも可能です。
