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半年で差し押さえ!?住宅ローン滞納を続けるとどうなる?

住宅ローンを滞納し続けるとブラックリストに載り、自宅は競売にかけられます。その流れについて、任意売却という方法も含めながら説明します。

 

滞納月数が経過するごとにどうなるのか

住宅ローンは滞納から約半年ほどで競売手続きが開始され、居住用物件の場合、競売開始から明け渡しまでは4~6ヶ月程度が一般的です。
競売も任意売却も債務整理という観点では同じものですが、債務者の意志の反映や売却後の生活への配慮は望めない競売と、債権者と債務者の相談や今後の生活を鑑みた売却方法である任意売却では大きな差が生まれます。

ここでは、滞納開始から法的措置である競売完了までの流れに沿って、具体的にどうなるのか?を解説。救済措置ともいえる任意売却についてもお伝えしていきます。

 

滞納直後~2か月

「支払い請求書」や「催告書」が届きます。
引き落とし日翌日から「遅延損害金」が発生してしまいますが、うっかり忘れてしまったり残高不足に気づかなかったりといった1度の滞納なら、金融機関からの通知書が届いてからすぐに返済すれば大きな問題にはなりません。
通知書が来てもすぐに返済しなかったり延滞が続いたりすれば、金融事故としてブラックリストに載ることになってしまいます。
今後の住宅ローン返済の見通しを判断し、金融機関や専門家に相談して早めに対処していくべきタイミングです。

 

滞納してから3~6か月

「期限の利益喪失通知書」と「代位弁済通知書」が届きます。
これらは、住宅ローンを長期返済する権利を失ったことと、保証会社が住宅ローンの残債を弁済し、債権者が金融機関から保証会社に移ったことを示す書面。つまり、この時点で債務者は「住宅ローンを一括返済する」という選択肢のみしか選べなくなってしまうのです。

 

一括返済が不可能であれば、法的手続きに則り自宅の競売手続きが開始されますが、自宅を自分の意志で売却できる「任意売却」という方法が残されています。
任意売却の申し出をすると競売の手続きをいったん中止してくれる金融機関もありますが、それでも通常.3ヶ月~6ヶ月が限度。任意売却は住宅ローン滞納後1年程で迎える競売の開札前日までに実行できなければ無効になりますので、少しでも早く動き出せすことで時間に余裕が生まれ、有利な条件で売却できる可能性が高まります。

 

滞納してから6~10か月

裁判所から「差押通知書」「競売開始決定通知」が届きます。
これは、金融機関の申し立てにより裁判所が競売手続きを開始したことを示すもので、この時点で不動産の差し押さえ情報が登記簿謄本にも記載されてしまいます。
競売手続きが始まると、裁判所による現況調査が入ります。執行官と不動産鑑定士による自宅訪問や現況調査が実施され、自宅前の道路調査や隣人からの聞き取りも行われることに。無断で不在にした場合には、そのまま執行官が開錠し、強制的に調査が行われてしまいます。

 

このように、競売手続きが開始されると、競売での自宅売却がどんどん進んでいくことになります。

「競売開始決定通知書」を受け取ってから債権者に競売の取り下げを頼めるのは6ヶ月以内。
競売は相場の60~70%の価格しかつかず、自宅を無くしても残債がのしかかってくるリスクが大きいため、この時期に任意売却など別の手段を使って自己防衛を図れるかどうかが、今後を左右する重要な分かれ道となるのです。

 

滞納から1年前後

競売手続きが進むと、滞納後12ヶ月~16ヶ月ほどで入札期間や開札日などが記載された「期間入札の通知」が届きます。
開札日とは、競売の落札者を決定する日のこと。この前日までに任意売却を終了すれば法律上任意売却が認められますが、多くの場合入札後の解決は現実的ではありません。

通常の入札期間は1~2週間。落札者が決定し「売却許可決定」が下り、落札者に所有権が移転した時点で自宅に住み続けることは不法占拠となり、「強制退去」を求められることになります。

 

信用情報はどうなる?滞納による住宅以外への悪影響

ブラックリストに載る?

「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関に登録されている個人信用情報に金融事故情報が記載されることを示します。

延滞後61日以上の延滞、または3回目の支払いを超える延滞で、いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまいます。
ただ、例え数日の滞納であっても個人信用情報には全て記録されています。数日の遅延を何度も繰り返していると、悪質な遅延としてブラックリストに載ってしまうこともありますので注意が必要です。

 

その他の悪影響

ブラックリストに載ると原則として新規の借り入れができなくなり、現在使用中のクレジットカードも使用できなくなってしまいますが、返済中のローンは現行のままとなります。

ブラックリストに載ってしまったとしても他人に知られることはありませんが、5年~10年はブラックリストに残り続けます。加えて、信用情報機関のブラックリストから抹消されたとしても、過去に債務整理をした金融機関やその系列会社の記録には、「社内ブラック」としての記録が残る場合がありますので、完全な信用回復は難しいかもしれません。

とはいえ、払えない住宅ローンに悩みながら苦しい生活を続けるよりも、適切な方法を使って今後の生活を立て直していく方向に目を向けることも必要なのではないでしょうか。