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住宅ローン、滞納が続いたら退去になる?それはいつ?

住宅ローンを滞納し続けると、いずれは家を強制退去しなければなりません。

では、具体的にはいつ強制退去になってしまうのか?段階ごとの流れと、強制退去にならないための対策をまとめました。

 

住宅ローンを滞納し続けるといつ退去になるのか

住宅ローンを滞納し続けると、およそ12ヶ月前後で強制退去になるケースが一般的。

 

およそ6ヶ月間、住宅ローンの滞納が続くと「競売開始決定通知書」が届きます。そこからさらに6ヶ月ほどで「期間入札通知書」が届き、その後すぐに競売が開始され、落札されると強制退去になってしまいます。

競売開始決定通知書が届いてしまうと、家が競売にかけられるまで時間はあまり残されていないということです。

 

しかし、いきなり競売開始決定通知書や期間入札通知書が届くわけではありません。

はじめは銀行から電話がかかってきたり、督促状が届くことになります。

ヒヤッとするかもしれませんが、滞納してしまった時には焦らずそれぞれの段階に則した対応をすることで、強制退去を回避できるのです。

 

住宅ローンを滞納してから退去までの流れは?

いつ退去になってしまうかを知るために、住宅ローンの滞納時に届けられる書類を滞納期間ごとに見ていきましょう。

いずれも無視せずに対応すれば退去を免れることは可能ですから、ご自身がどの段階にあるのか把握し、正しい対処法を知りましょう。

 

滞納期間1ヶ月~:督促状・催告書

1ヶ月分の住宅ローンを滞納した段階で、銀行から督促状や催告書が届きます。

支払いを求めるという内容のみで、この時点で強制退去という事態にはなりません。

経済事情等により住宅ローンの支払いが困難なのであれば、この段階で金融機関に相談しましょう。

 

滞納期間3ヶ月~:期限の利益喪失通知書

住宅ローンの滞納期間が3ヶ月を超えてくると、「期限の利益喪失通知書」が届きます。

 

・「期限の利益の喪失」とは?

期限の利益とは、一定の期限が到来するまで弁済(支払い)をしなくてもよい、という債務者の利益をいいます。

「期限の利益を失う」というのは、将来支払えばよかったものが、今すぐに支払わなければならなくなった、ということです。

 

引用:<法律用語解説>期限の利益とは、期限の利益の喪失とは. 弁護士法人 一新総合法律事務所.2019-4.

https://www.isshin-law.jp/2019/02/20/期限の利益、期限の利益の喪失とは/

 

「期限の利益の喪失」とはつまり、分割払いが出来なくなるという意味なのです。

 

「期限の利益喪失通知書」に記載してある期限までに滞納分を支払わない場合、住宅ローンを一括で返済しなければなりません。

 

滞納期間6ヶ月~:代位弁済通知書・差押通知書

代位弁済とは、本人に代わって保証会社が金融機関へ支払いを行うこと。「代位弁済通知書」は、代位弁済がまもなく行われるということを意味します。

代位弁済が行われると家は競売の準備段階となり、それに伴って本人が家を処分等しないように裁判所が家を差し押さえます。

これを知らせるのが「差押通知書」です。

 

滞納期間6~9ヶ月:競売開始決定通知書

「競売開始決定通知書」は、競売の実施が決定されたことを通知する書面です。

この通知が届いてからおよそ6ヶ月で家が競売にかけられ、落札されると強制退去しなければなりません。

 

滞納9~12ヶ月:現況調査通知書

競売開始決定通知書が届いて1~2ヶ月後に届く書類が「現況調査通知書」。

この通知には、執行官などが不動産の調査のために家を訪れる日時が記載されています。

この調査は法律で決められているため、拒否することは不可能。調査結果はインターネット上で公開されるため、近所の方に事情を知られてしまうこともあります。

 

滞納期間12ヶ月~:期間入札通知書

「期間入札通知書」とは、入札の開始から入札の終了までの期間と入札の開札日が記載された書面のことで、これが届くとまもなく競売が開始されることになります。

競売は当通知書に記載されている日程通りに進むため、ここで落札されるといよいよ強制退去となってしまうのです。

 

住宅ローンを滞納しても退去しないで済む対策とは

強制退去を避けるために、住宅ローンを滞納してしまった後でも間に合う対策を4つご紹介します。

 

滞納中対策1.債務整理

債務整理とは、住宅ローン以外の借金を減額する対策。

生活に必要な財産以外を換価処分したうえで債務がすべて免除される「自己破産」や民事再生法に従って一定の財産を残しつつ借金を減額する「個人再生」、将来利息や遅延損害金を金融機関と交渉のうえでカットし、借金の元本のみを3~5年で返済していく「任意整理」といった方法があります。

 

滞納中対策2.リースバック

現在の家をいったん売却したのち、改めて買い手から賃貸として家を借りるのがリースバックです。

ただし、リースバックにはクリアすべき条件が多いため、成功率はあまり高くありません。

 

滞納中対策3.親子・親族間売買

親や親族に家を売ったうえで賃料を払い、家に住み続ける手段が「親族間売買」。

家を売る相手が血縁関係者になるため、知らない他者に売却するよりもストレスや不安は軽減されますが、あまりに低価格で売買した場合は時価との差が贈与とみなされ、贈与税などが発生することがあります。

さらに、親子・親族間での売買では住宅ローンが承認されづらいということも把握しておきましょう。

 

滞納中対策4.任意売却

任意売却とは、金融機関(銀行)に相談して抵当権を解除して貰い、一般市場で売却してその売却益を住宅ローンの返済に充てるという方法です。

一般市場で売却するため競売よりも高値での売却が期待でき、インターネット等で不動産情報が開示されることもないため、プライバシーの観点からも安心です。

任意売却とリースバック、親子・親族間売買を合わせて行うことで、退去することなく自宅に住み続けることができます。

競売になれば強制退去は免れないため、「住宅ローンを滞納していて返済の目途が立たないが、退去はしたくない」という場合は、できるだけ早く任意売却の相談を行うのがベターな選択といえます。

 

任意売却すべき?「住宅ローン返済危険度チェック」で危険度をチェック>>

 

 

続いて、住宅ローンの支払いが厳しくなることが予想できる場合、滞納前にできる対策をご紹介します。

 

滞納前対策1.住宅ローンの借り換え

現在住宅ローンを組んでいるところよりも金利が低いところに住宅ローンを借り換えるという対策です。

毎月の支払いが数万以上減ることもあるので、支払いが厳しくなりそうな時点で検討してみましょう。

 

滞納前対策2.支払い計画の変更

金融機関と相談し、月々の支払額を減らす対策です。

支払額が減るということは、返済期間が延びるということ。つまり、延びた期間分の利息が増えるということです。よって、最終的な支払額は増えてしまうということを認識しておきましょう。