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住宅ローンを払えない場合、住み続けるのは難しい?
対処法・注意点とは?

住宅ローンを払えない状態になった時の選択肢として、通常売却や任意売却のほかにもリースバックと呼ばれる方法があります。

 

住宅ローン返済の問題をクリアしつつ同じ家に住み続けられる手法として注目されていますが、現実として住宅ローン返済の問題を解消する目的でのリースバックを実現させることは、決して簡単でありません。

リースバックとは

リースバックとは、自宅を売却して買主に大家さんとなってもらい、賃料を払う形で引き続き同じ家に住む手法を言います。

様々な目的で行われるリースバックですが、主な目的は次の4つとなるでしょう。

 

– 住宅ローンを返済済みの自宅はあるものの、老後のまとまった資金に不安がある

– 自宅の住み替えにかかる費用を確保したい

– 自宅を売却して相続人同士で金銭を平等に分け、その上で自分が自宅に住み続けたい

– 住宅ローンの返済が困難になったものの、同じ家に住み続けたい

 

これらのうち、上から3つ目までは現実的かつ有効なリースバックとなるかもしれません。しかしながら、4つ目の住宅ローン返済が絡んだリースバックは、必ずしも理想的な結果となるとは限らない点に注意しなければなりません。

住宅ローン返済が絡んだリースバックの注意点

住宅ローンを支払えなくなった際、引き続き同じ家に住み続けながら住宅ローンの問題を解消できると言われるリースバック。しかしながら、本当にそのような「おいしい話」があるのでしょうか?

住宅ローン返済が絡んだリースバックの注意点を2点ほど見てみましょう。

リースバック後の家賃を支払い続けられないかもしれない

リースバック契約による賃料は、概ね家の売却価格の8~13%ほどと言われています(地域や各種条件により異なります)。

仮に、家の売却価格が1500万円で家賃が10%だった場合、月々の家賃は125,000円。金融機関の住宅ローン返済からは逃れられるものの、単純に出費額を比較した場合、果たして住宅ローン返済より楽になるでしょうか?

 

住宅ローンの返済額より家賃のほうが高くなるならば、リースバックせず頑張って住宅ローンの返済を続ける、という選択肢のほうが合理的かもしれません。

リースバック前の任意売却に債権者が承諾してくれないかもしれない

住宅ローンを払えなくなってリースバックを行う場合、その前提として任意売却が必要となることもあります(自己資金による補填等で残債を完済できない場合)。

 

しかしながら、任意売却を行うかどうかの決定権は債権者にあるため、債権者がNOと言えば任意売却を行えません。任意売却を行えなければ、リースバックを成立させることはおろか、家は競売にかけられる可能性が高いでしょう。

確実な任意売却成立を目指すほうが優先

住宅ローンを払えなくなった時の対処法として、リースバックは理想的な選択肢の1つとはなりえますが、リースバック後の賃料や債権者の意向次第では、必ずしもベストな解決法になるとは限りません。

 

リースバックにこだわり続けている間に、競売のタイムリミットが訪れる恐れもあります。リースバックの可能性を残しておくことは大切ですが、より現実的な選択肢も並行して進めておいたほうが良いでしょう。

住宅ローンの返済を楽にすることが一番の目的

リースバックにより、良心的な家賃で同じ家に住み続けられるならば理想的ですが、そのような理想が実現する可能性は決して高くありません。住宅ローンの返済にお困りの場合、まずは当初の目的である「住宅ローンの返済を楽にする」という視点を大切に持ち続けましょう。

 

住宅ローンの支払いが楽になれば、その後の生活再建に向けた大きな歩みが始まります。そのための現実的な方法として、リースバック以前に、確実に任意売却を成立させることが大事です。任意売却を成立させれば返済残高は大幅に減るため、以後は様々な選択肢が広がるでしょう。

 

借金も住む場所も1度にすべてを解決しようとせず、専門家に相談しながら事を着実に進めていくようおすすめします。

【まとめ】住宅ローンの返済にお困りの方は早急に専門業者へ相談を

住宅ローンが払えない状態になった場合でも、家の売却金が住宅ローンの残債額を上回るならば、特に問題なく市場から家を売却できます。また、家の売却金が住宅ローンの残債額を上回らない場合でも、自己資金の補填で住宅ローンを完済できるならば、こちらも問題なく家を売却できます。

 

一方、自己資金で補填しても住宅ローンを完済できる見通しがないならば、任意売却は有効かつ現実的な手段の1つ。このタイミングに及んでリースバックという情報が差し込むこともありますが、全てのリースバック案件が理想的な結果になるとは限らないことも、改めて十分に理解しておきましょう。

結果として「任意売却+リースバック」が有利になるか、それとも「任意売却のみ」が有利になるかは、一般になかなか判断しがたいところがあります。いずれの選択肢でも任意売却が絡む以上はスピードが大事になるため、住宅ローンの返済にお困りの方は早急に専門業者へ相談するようにしましょう。