①フルローンで自宅を購入・・・・・
大阪府高槻市のTさんは、10年前に同市内の駅前に新築マンションを購入しました。当時、車販売の営業をされていたTさんは、年収はそこそこあったものの預金はほとんどない状態でした。子どもが大きくなったこともあり、なんとか自宅を購入したいという思いがあったTさんは、地元の不動産業者に相談。すると、不動産業者からは、「諸費用も含め住宅ローンが組める」と説明を受け、住宅ローンを申込されました。Tさんの年収がそこそこ高かったこと、正社員として働いておられた奥さんの収入もありましたので、住宅ローンの承認が下り、フルローンで新築マンションの購入に至りました。
②奥さんの勤め先の会社が倒産・・・・・
しかし、自宅購入から7年が経ったころ、奥さんの勤め先の会社が業績不振により倒産し、奥さんが職を失うことになりました。これまで、夫婦二人の収入がTさんお一人の収入になり、合わせて子どもが成長するにつれて、大学へ行きたいということもあり、教育費が嵩張り、一気に家計が悪化。銀行から教育ローンを組んだりしてしのいでいましたが、Tさん一人の収入では、徐々に支払いが困難になり、最後には住宅ローンの返済が出来ない状態へ陥りました。そんなころに、当社をホームページをお知りになり、お問合せを頂きました。
③Tさん、奥さんの希望・・・・・
私たちは、Tさん夫婦と面談をさせて頂き、現在の状況、希望等をヒアリングしました。Tさん夫婦の一番の希望は、子どもには大学を卒業させてあげたいという、教育費、仕送りの確保でした。相談に来られた時は、住宅ローンの滞納は3ヶ月以上でしたので、銀行からは督促状が届いておりました。子どものために自宅を売却する決意をされていたTさん夫婦でしたので任意売却のご説明をさせて頂きました。自宅を売却することで、月々の返済負担は減らすことができる、自宅の維持費(固定資産税等)はかからない、負担が減った部分を教育費に充てることができる。私たちは、Tさん夫婦と任意売却を進めることになりました。
④任意売却に向けて・・・・・
私たちは、Tさんが任意売却を希望されていることを銀行にお伝えし、物件の査定に取り掛かりました。幸いなことに、Tさんの自宅マンションは、駅前で立地が良かったこと、築年数も比較的浅いこともあり、残債価格より販売価格が大きく上回る債務超過状態だった為、銀行と交渉をし、任意売却に取り組み、無事に成約となりました。売却後のTさん夫婦の引越し先をどうするかという問題はありましたが、奥さんの実家に戻ることを両親が了承してくれているとのことでしたので、売却後直ぐに引越しができるように、少しずつ引越しの準備をして頂いておりました。
⑤その後・・・・・
売却後、Tさん夫婦は奥さんの実家に引越しをされて、奥さんもパートで働き、子どもを大学卒業させるために夫婦共働きで頑張っておられます。Tさん夫婦と面談をさせて頂いた時、子どものことを第一に考えたいという思いが伝わってきました。任意売却が成立した時は、Tさん夫婦の希望が少し叶った瞬間でした。子どもの大学卒業までTさん夫婦には頑張って頂きたいと思います。